子どもがいる夫婦が離婚する時、別れた後のことについても、しっかりと話し合って取り決めておく必要があります。特に養育費については、子どもの生活や将来の事に大きくかかわることなので、非常に大切な事柄です。
婚姻関係を早々に終了したいあまり、養育費について深く考えず決めてしまうと後々後悔してしまいかねません。数年たってから「しまった!」となってしまいがちなのが、養育費の金額についてです。中でも多いのが、養育費が安すぎて子どもの養育や生活に支障が出てしまうというケースです。
離婚前は想像できなかった子どもに関する出費
年数がたって子どもが成長していくと、思っていた以上にお金が必要になることが増えてきます。生活費として普段かかってくる費用だけでなく、進学にかかるお金であったりとさまざまです。
離婚をする時に子どもがあまりにも幼いと、どれくらい養育費が必要なのかよくわからない場合もあります。普通に生活する上でも、これから先子どもにどれほどのお金がかかっていくかということは、なかなか明確に想像できないものです。
けれど、できる限り子どもにかかる出費で苦労しないように、離婚の際は相手にしっかりと請求しておくべきなのです。
養育費が安すぎると感じたときは?
ある程度予想を立てて養育費を請求したにもかかわらず、それでも受け取る養育費の額が安くて、養育するには少なすぎるということが起きてしまう場合もあるでしょう。
理由や状況はいろいろあるかもしれませんが、養育していくうえで生活に困るほどであれば明らかに問題がある状況です。
そんな時は、一度取決めた金額だから今更安いといっても仕方がない・・・とあきらめたりしないでください。養育費に対して正当な理由があれば、増額してもらえるよう調停で申し立てることができるのです。
家庭裁判所へ増額の申し立てをしてみる
養育費の増額請求したいときは、家庭裁判所申立てをします。この申立ての事を養育費増額請求や養育費増額調停といいます。もちろん請求のための調停を起こしたからといって、必ずしも増額が認められるわけではありません。
親権者の収入が離婚当時よりも極端に減ってしまった場合や、子どもの進学によって出費が増えた場合、子どもの病気やけがなども増額が認められる理由となります。
上記のような合理的な理由の上で、今の養育費で本当に少ないのか増額する必要はあるか判断して変更されます。
話し合いで増額を了承してもらえるケースも
調停を起こすと、相手に裁判所から養育費増額申立の通知が届きます。この通知には、親権者がどういう状況で増額を望んでいるのかまでは記載されてはいません。
突然調停に持ち込んでしまうと、相手に余計な心配を与えたり、余計な疑念を与えてしまう場合があります。もしも可能なら、いきなり裁判所に調停を申立てるのではなく、直接(または代理人を通して)話し合うのも一つの手段です。
子どもにとって必要な事とあれば、話し合いでも増額を容認してもらうことができるかもしれません。もちろん、新たに取り決めを交わしたときにはあとあとトラブルにならないよう、しっかりと公正証書などの文書として残しておきましょう。