協議離婚を行う際、公正証書を作成しておいたほうが以後の都合がよくなるという話を先にしましたが、では公正証書を作らずに協議離婚を完了させた場合にはどうなるのでしょうか。
公正証書の有無にかかわらず、協議離婚の場で合意された養育費であれば支払いの義務は変わらず存在します。
ただ相手方が支払いを続ける誠意を見せなくなった場合、こちらは履行を強制するだけの法的拘束力を持ち合わせていないことになるので、どうしても養育費を支払ってもらうためには新たに裁判所にて調停、もしくは訴訟を行う必要があります。
この場合、協議離婚にてすでに離婚は成立しておりますので、裁判所に対して申し立てるのは離婚云々ではなく養育費という一つの債権についての相手方への請求です。
ここでは先に述べた離婚協議書などの書面を養育費に関する合意を証明するものとして提出できれば、より有利な結果を勝ちとることができるでしょう。
裁判所はそれらの材料を参考にしつつ、まずは調停、そこでまとまらなければ訴訟というプロセスを経て養育費の額を算定しなおし、調停証書や判決の形で最終的に確定させます。
これらはいずれも公正証書同様に法的拘束力を持っており、相手側がなおも履行に及ばない場合は、それを根拠とした強制執行をかけることが可能となります。