調停離婚、あるいは裁判離婚を経た上での強制執行について説明しましたが、先に述べたとおり、公正証書を作成していれば協議離婚の場合でも強制執行をかけることはできます。
ただ公正証書のなかに「支払いを滞らせた場合強制執行を受けることになってもやむ終えません」という内容の文面が盛り込まれていなくてはならないため、作成時に注意が必要です。
公正証書を用いた強制執行の場合でも、全体的な流れは調停離婚、裁判離婚によるものとほぼ同じです。
債務名義としての公正証書に対する執行文の付与、及び相手方への送達証明書の発行に関しては、裁判所でなく公正証書を作成した公証人に申請しなければならないという違いがあります。
強制執行の申し立てをする場合には、こちら側で相手方の財産を特定しておかなくてはならないというのも同様です。
もし相手の動産や不動産に心当たりがあれば差し押さえ、競売にかけてもらうことで弁済を受けられます。
養育費をめぐる強制執行においてよく用いられるのは相手側の給与を対象とした債権執行で、この場合は相手の勤務先が判明していれば当該企業を第三債務者とした上で裁判所に債権差押命令書を発送してもらいます。
月々本来であれば相手方に払われるはずであった給与の一部をこちら側に回してもらうことができます。