離婚の原因は、100組の離婚したい夫婦がいれば100通りで様々です。そして中には、完全に妻に非がある離婚、というものも存在します。
例えば、妻の浮気や借金など。夫は家庭内円満のつもりでいたのに、突然「他に結婚したい人が出来た」と妻に離婚をお願いされ愕然とした、というケースも中にはあります。
こうした夫婦に子どもがいた場合、養育費はどうなるのでしょうか。
親権は母親が得たとして、突然離婚を申し渡され、愛する家族を一度に失い、一人ぽっちになった父親。その父親に傷に塩を塗りこむように養育費の支払いの責任が生じるのはなんだか理不尽な気もします。
妻が子どもを連れて実家に帰った場合なども同様、住居費も生活費もほとんどかからなくなるのに、自分はこれから何年間も養育費の支払いに追われるのか、と落胆する気持ちもわかります。
しかし、大切なポイントは、養育費はあくまでも子どものための費用であるという点です。
離婚の原因がどちらにあろうがここでは関係ありません。養育費とは、それが支払える状況にあり、支払うに適しているとみなされた方が子どもの為に支払いをする費用です。
妻の再婚が決まっているケースなら、それを理由に相手と交渉することは可能でしょうが、基本的に養育費と離婚の原因は切り離して考える必要があります。
離婚の原因として明らかに妻に非があった場合、妻(もし妻の不倫相手がいるならその相手も)に対して慰謝料を請求することは可能ですが、これもまた、養育費とは別の問題となってきます。
養育費はあくまで大切な子どもが成長するために必要なお金。子どもが夫婦の離婚の犠牲になるのだけは親として避けなければなりませんから、それをまず第一に考えて交渉を進めるべきでしょう。