妻の浮気が原因で離婚することになった場合、夫側からしたら、妻に親権を渡すには抵抗があることでしょう。
夫婦間の話し合いがまとまらず、家庭裁判所での調停に進んだ場合、司法はどのような基準で判断を下すのでしょうか?
離婚原因と親権問題は別物
妻が浮気をした場合、「浮気をした妻に親権を渡したくない」という感情がわき上がるのはもっともだと思います。
しかし、司法では離婚の原因と親権の問題は別物と考えるのが一般的です。それはなぜかというと、離婚に至った原因は子どもには関係のない親の都合だからです。
親権は、今後どちらと暮らすことが子どものためになるか? という基準で決めるものなので、離婚の原因を作った妻は親権を持てない、ということにはならないのです。
妻が浮気をしていても、子どもが気付いていないこともあるでしょう。
そして、育児には影響のない範囲であり、愛情を持って子どもに接していた事実があれば、妻が親権者にふさわしいと判断されるケースも沢山あります。
妻の親権が不利になる場合
一般的には、子どもは母親と過ごす時間の方が長く、日常的な身の回りの世話は主に母親がしているケースが多いので、親権争いは母親有利な傾向があります。
たとえ浮気をしても、育児に悪影響を及ぼしていなければ、親権者としての適性に欠けるとまでは判断されないようです。
しかし、妻の親権が不利になったり、認められない場合も勿論あります。それは、妻が育児放棄をしているようなケースです。
浮気をしていた事実だけでは親権で不利になることはありませんが、浮気相手に入れ込み家庭をおろそかにしていたような場合は、親権者としてふさわしいとは言えないでしょう。
また、子どもが母親より父親と暮らす意思がある場合や、夫の方が家事育児に積極的だった場合も、妻の浮気のことはさておき、夫の方が親権者にふさわしいと認められるかもしれません。
子どもの幸せを一番に考える
妻の浮気が原因で離婚に至ることになったら、感情的になってしまうのも無理はありません。
しかし、どちらが親権を持つかについては、子どもの幸せを一番に考えるべきということを忘れないで下さい。浮気をした妻の悪口を子どもに言い聞かせたりするようなことは、決して問題の解決にはならないのです。
たとえ親権を得たとしても、浮気をした妻に子どもは絶対会わせない! というような頑なな態度も避けるべきでしょう。
何かあった時に元妻に子どもを預かってもらうような場面が出てくる可能性もありますし、両親が積極的に自分に関わってくれてることを感じれば、子どもの成長にも良い影響をもたらすのではないでしょうか。
いかがでしたか?以上のように、離婚の原因と親権の問題は別物であると考えられており、それは子どもの幸せを考えてのことなのです。