近年、離婚する夫婦が増えています。3組に1組の夫婦が離婚するともいわれているのです。
離婚する際には、慰謝料や財産分与、年金分割など様々な取り決め事項を決めておく必要がありますが、夫婦に未成年の子どもがいる場合は、子どもの親権者を指定しておかなくてはなりません。子どもは父親が引き取るのか、それとも母親と一緒に生活することになるのかは、夫婦・子ども共々に大きな問題です。
夫婦が同居し婚姻関係を維持している間は、夫婦の両方が親権者です。しかし、離婚する場合は夫婦のどちらか一方を親権者と決めなくてはならず、子どもの親権を巡って争いになるケースも多くあるといいます。
親権者の果たすべき役割と責任
親権は離婚した後、子どもを引き取る側が持つことになるもの。
このよう、単純に考えている方も多いでしょう。
親権とは、20歳未満の子どもを養育し、子どもの財産を管理するために与えられた権利と義務のことをいいます。
そして、この権利と義務を行使することができる者を親権者といいます。
例えば、子どもが小学校や中学校に入学する際には、様々な手続きが必要になりますが、この手続きをするのは原則的に親権者です。学校関連などでよく耳にする『保護者』という言葉は、親権者のことを意味しているのです。これは、児童福祉(子供の保護義務を規定した法律)の第6条にも規定されています。
また、子どもが病気や事故などで手術をする際、同意書にサインするのも親権者です。
このように、子どもの日常生活の様々な場面で親権は大きく影響しており、親権者の果たす役割と責任は非常に大きいといえます。
親権者になれなくても
離婚するときは、夫婦のどちらか一方を親権者と必ず定めなくてはなりません。言い換えるならこれは、夫婦のどちらかは親権者になれないということを意味します。
- 親権者になれなかったら、離婚後はもう二度と子どもとは会えない。
- 親権を取れなければ、自分はもう子どもにとっての父親(母親)ではなくなってしまう。
このように悲観的に考え、親権を取ることに躍起になったり固執したりしてしまう方もいます。ですが親権は、あくまで子どもの気持ちと、その幸せを最優先に考えて決められるべきではないでしょうか?
夫婦は離婚すれば赤の他人になりますが、親子関係は離婚後も継続するのです。例え親権者になることができなくても、子どもにとっての父親・母親であるという事実は離婚した後も変わることはないのです。