養育費について考えたとき、みなさんが最も気になるのは養育費の金額ではないでしょうか?
「○○さんは子ども1人で、月5万円を受け取っている。うちは3人だから…15万円?」
「子ども1人しかいないけれど、相手は養育費を毎月10万円を請求すると言ってくる。」
「子ども1人の養育費は月2万円。他と比べると何だか凄く少ない気がするけれど…。」
さまさまな家庭事情があるので、養育費に関する疑問は大きなものでしょう。
養育費の相場は3万円~5万円程ですが、その金額は原則として夫婦の話し合いで決められます。調停や裁判などで養育費の金額を決める場合は、両親の収入・子どもの人数・子どもの年齢などが考慮されます。家庭裁判所の養育費算定表も、養育費の金額を決める目安として利用されています。
養育費の支払い期間はいつまで?
ところで、養育費は子どもが何歳になるまで支払い続けなければならないのかをご存知でしょうか?
養育費の支払い期間において、法律では子どもが何歳になるまで支払うという具体的な年齢までは定められていません。このため、養育費の支払い期間も夫婦間の話し合いで決められることになります。
養育費とは、未成年の子どもを養育するためにかかる生活費や学費などの一切の費用のことですから、子どもが成人するまでは毎月養育費を支払わなくてはならないと考えられています。しかし、高校を卒業後18歳で働き収入を得て自立している場合は、成人とみなすこともできるため、養育費の支払い期間を18歳までとすることもできるのです。
反対に、子どもが4年制大学に通う場合は20歳になっても学生のままなので、自立したとはみなされず、養育費の支払いは子どもが大学を卒業する22歳まで延長される場合も多くあります。
養育費の金額や支払い期間はケースバイケース
養育費の金額や支払い期間は夫婦が離婚する前に、きちんと話し合って決めておく必要があります。
先に説明した、家庭裁判所の養育費算定表を参考に子どもの養育費の金額を決めるケースも多いのですが、養育費の金額というものは家庭の事情や子どもの養育環境により、大きく変わります。
例えば、幼い頃からスポーツをやっていて離婚後もスポーツを続けるという場合は、この費用も養育費に考慮されなければなりません。また、子どもがアレルギー体質で食事に注意が必要な場合は、通常の子どもより食費が嵩むことになります。こういった特殊な事情は、養育費算定表には反映されていないので注意が必要です。
支払い期間においても、ケースバイケースです。
両親が共に4年生大学を卒業している場合は、子どもも4年生大学に進学する可能性が高く、この場合は養育費の支払い期間は22歳とされるべきですし、離婚時子どもがまだ幼い場合は、養育費の支払い期間を18歳までと定めておき、子どもの進路に応じて養育費の支払い期間の延長を決めてもいいでしょう。