離婚調停で家庭裁判所を利用した場合、必ず調停調書があると思います。
養育費が滞っており、相手に何度連絡をしても支払ってもらえない場合は、再度同じ家庭裁判所を通して『履行勧告』を行います。履行勧告を行っても養育費を支払ってもらえない場合は、相手の財産を差し押さえる『強制執行』を行うことができます。
そこで、ここでは、養育費不払いの強制執行の流れを紹介していきます。
強制執行に適しているもの
強制執行を行うという事は相手の財産を差し押さえるという事です。相手の財産を差し押さえるなら、一番良いのがお給料だと言われています。
相手が勤務する会社に対し給料差し押さえを通知するため、あらかじめ相手に会社に通知する旨伝える事で、本当に強制執行を実行する前に養育費の支払いが受けられる可能性が高いのです。
本当に強制執行を会社に通知されてしまったら、養育費が滞っていることを上司や同僚などに知られてしまうため、慌てて滞っている養育費を支払うというわけです。
離婚時と代わらずきちんと勤めているのに、養育費が滞る原因は「時間」です。離婚から時間が経つにつれ、一緒に暮らしてもいない相手や子供に養育費を支払うのが嫌になると言います。
しかし、どんなに離れて暮らしていても自分の子供に変わりはありませんから、子供が決められた年齢になるまで毎月きちんと支払うべきものです。
給料差し押さえで必要な書類
強制執行で相手の給料を差し押さえを要求する際に必要な書類を紹介していきます。
◇債務名義
◇強制執行の申立書
◇差し押さえ対象の財産情報
(給料を差し押さえる場合は、相手が勤務する会社の情報が必要です)
◇強制執行の申立書の写しと宛名付きの封筒
◇相手の会社の登記簿謄本
◇請求債権目録
◇差押債権目録
◇当事者目録
上記に記したのは相手の給料を差押さえるために必要な書類です。
詳しくは家庭裁判所などで教えてもらえますので、分からないことがあれば足を運びきちんと質問するようにしましょう。上記の書類が揃え、提出すれば、後は強制執行が実施されるのを待つだけです。
信用できない相手に対し将来的に支払われる養育費を差押さえる
何度連絡をしても滞った養育費を支払ってもらえなかった相手は、強制執行によりこれまでの分を支払ってもらったとしても、今後また滞る可能性が高いと言えます。そんな信用できない相手に対し、今後支払われる予定の養育費分も差押さえが可能かどうかと考えますよね。
結論的に、将来の養育費もまとめて差押さえの申し立てをすることが可能です。基本的に、これまで1回でも養育費の支払いと怠った場合は強制執行により将来の養育費分も請求することが可能です。但し、将来分まで一度に回収するのは不可能と言えるでしょう。
相手の給料の中から毎月強制的に養育費の支払いを受ける形になると思います。決して相手の意思でなく、法律が関与して支払われるため安心できるのは間違いありません。