養育費と聞くと、大体は、離婚後に男性が女性に支払っているお金をイメージされるのではないでしょうか。
しかし、実はそれは間違いなのです。
養育費は男性が支払うと決まっているわけではありません。
では、何故このような誤解が生まれてしまっているのでしょうか?
養育費とは何か?
そもそも、養育費とは一体何でしょうか?
養育費とは子どもが自立するまでにかかるお金のことで、主に衣食住・教育・医療にかかるお金のことを言います。
つまり、養育費とは子どもの為のお金ですから、夫婦どちらにも義務があり、男性だから払う、女性だから払わなくても良い、という類のものではないのです。
では何故、「養育費は男性が支払う」という誤解が根付いてしまっているのでしょうか。
それは、離婚後に女性が親権を持ち子どもを引き取るケースが多いからだと考えられます。
そして、一般的には経済力のある男性が養育費を支払っているケースが多い為、誤解が生まれてしまっているのだと思われます。
女性が養育費を支払うケース
このように、養育費とは本来、夫婦どちらにも義務があるものなのです。
では、女性が養育費を支払う場合にはどんなケースがあるでしょうか。
例えば、男性が子どもを引き取り、女性の方が経済力がある場合は、女性が養育費を支払うことになるでしょう。
また、男性が子どもを引き取り、女性に経済力がない場合でも、
養育費を支払わなくても良い、ということではありません。
求められれば、収入に応じた養育費を協議することが必要です。
子どもの生活を保障する生活保持義務は、親の生活に余裕がなくても発生する強い義務だということを覚えておいてください。
給料が安い、車の維持費がかかる・・・等は、養育費免除の理由にはならないのです。
正しい知識を身につけよう
このように、養育費とは子どもの為に必要な大切なお金です。
しかし、離婚時に養育費についての取り決めをしているケースは3割程度であり、実際に支払われているのは2割に満たないというのが現状だそうです。
厚生労働省の調査によれば、養育費についての取り決めをしないのは、「相手に支払う意思や能力がないと思った」「相手と関わりたくない」という理由が多くを占めているとのことです。
勿論、様々な事情で離婚に至る中で、養育費について話し合いをするのは大変なことだと思います。
ただし、養育費は親のものではなく、子どもが受け取るべき権利です。
親の都合で簡単に放棄していいものではありません。
二人だけでは話し合いが難しいようでしたら、相談機関に持ち込むなどして解決を図ってみるのも良いでしょう。
養育費は男性が支払うもの、という誤解が世の中に蔓延しているように、案外正しく理解されていないものです。
子どもの為にも、養育費についての正しい知識を身につけ、きちんとした取り決めができるといいですね。