養育費の金額の多くは、子どもが自立をする間に、標準的な生活をおくれる程度の額を基準としています。
支払う側も毎月生活ギリギリで、やりくりしたり切り詰めたりしながら養育費を支払っている事が多いです。それを考えず、子どものためだからと湯水のように使っていては、養育費をいくら受け取っていても足りなくなってしまうでしょう。
欲しいだけもらえるわけではない
もちろん、それぞれ家庭によって生活水準に違いがあります。支払者に経済的余裕があって、いくらでも養育費を支払っても負担にならないと言うのならそれでもいいでしょう。ですが、相手の収入を無視してこちらが欲しいだけの金額をもらおうというのは身勝手ですし、現実的にも受け入れられにくい話になります。
夫婦での話し合いで決める養育費自体にはいくらでなくてはいけないという決まりはありませんが、やはり常識の範囲内で決められるものですので、欲しいだけもらえるというわけではないのです。
生活水準に見合った使い方を
そもそも養育費とは、子どもの食事や衣服、教育や医療などにかかる費用として支払われるものです。ささやかな娯楽などもこれに含まれてはいますが、全てごく標準家庭で消費する金額を想定して取り決めるのが一般的です。
もちろん使い道や価値観は様々ですが、平均的な年収の相手から受け取る養育費の金額で、毎月高額なブランド品の子供服などを購入するのは誤った使い方と言えるでしょう。
教育にかかる費用は進路で変わる
しかし、教育にかける費用ともなると、使われる金額や使い方は大きく異なってきます。
私学に通っている場合は、公立よりも学費がかかることが多いですし、進学のために習い事や塾へ通う必要がでてくる場合もあります。そうなると養育費の使い方も、必要とする金額もその過程によって違いが出てきてしまうのです。
受け取り期間はいつまでか?
ちなみに、親の最終学歴が大学までだった場合、子どもも大学へ行ってしかるべきという考え方をする傾向にあります。
もちろん、離婚時にどのような取り決めをしたかによって変わりますが、そういう場合は大学進学も視野に入れて支払い期間を設定している場合が多く、大学を卒業するまで養育費を支払い続けることもあります。
支払い期間の延長は簡単ではない
しかし、支払い期間を高校卒業までとしているのに、大学へ進学したいと子どもが望む場合は、基本は高校卒業までに受け取った金額でやりくりしなくてはならなくなります。
話し合いによっては、養育費の受け取り期間の延長やなんらかのサポートをしてもらえることもあるかもしれませんが、そこに強制力がないことがほとんどです。
子どもの将来を見据えて
このように養育費はあらかじめ、毎月いくらをどれだけの期間受け取るかを決めているものです。想定外の出費や不測の事態は別として、離婚時に取り決めた受け取り総額の範囲で、子どもの将来までを見越した使い方をする必要があります。
養育費は決してお小遣いではありません。子どもの将来にとって最も良い使い方をしてあげることが、親の務めでもあると言えるのではないでしょうか?