景気が不安定な今の日本において、それまでの収入を永遠に保てる保証はどこにもありません。ある日突然、これまでの収入が得られなくなってしまうということも、十分にあり得るのです。
そのような状況になった時、養育費を支払う側はもちろん、受け取る側にとっても他人事ではなくなります。このような状況にあってしまった時、養育費を受け取る側にできることは何かあるのでしょうか?
まずは冷静に話し合いましょう
突然「養育費が支払えなくなった」といわれても、素直に「そうですか」とはいかないものです。正直なところ、そのお金があるかないかで子どもの生活はかなり変わってくることでしょう。それどころか、毎日の食事にも困ってしまうような状況に陥ることもあるかもしれません。
払えないといわれても困るから、何とかして払ってください!と言い切りたい気持ちもあることでしょうが、ここはまずは冷静になることが必要です。
何をどうしても無理なのか?減額して少しなら支払えるのか?落ち着いて話すことで、何らかの解決策が見えてくることもあるからです。
時には待ってあげることも必要
相手も決して好きで支払えなくなったわけではないでしょうから、時には相手の気持ちになって少し時間をおいてあげることも対策のひとつです。
養育費を払えないことを責め立ててしまうと、解決することもうまくいかなくなってしまう場合があります。不要なトラブルを招き、相手のとの関係を複雑にしてしまうと、時がたって支払える経済状況になっても支払いを再開してくれない可能性があります。
できれば、相手を追い詰めるようなことは避けたほうが賢明と考え、冷静になることが大切です。
調停の場で新たに金額を設定する方法も
相手の収入が安定しない状況では、なにがなんでも支払ってください!というのは現実として難しいところがあると思います。話し合いでそれなりにお互い譲歩しあった額に下げるなどの対処法もありますが、相手が「何がなんでも支払えない」という強固な姿勢を取るようであれば、調停の場などで新たに適正な養育費の金額を決め直すことも可能です。
直接話し合うと平行線でどうにもならないような場合、このように第三社を挟んで冷静に話し合うことも大切なのです。
法的手段で養育費を取る?
相手の態度があまりにも不誠実で、本当は支払えるのに払わないというような事態になった場合は、給与を差し押さえるような方法で養育費を支払ってもらうことは決してできないことではありません。
ですが、このような法的な強制執行は相手にかなりのプレッシャーを与えるため、あくまでも最終手段と考えるべきです。給料を差し押さえるような形をとると、精神的負担も多く相手が追い詰められる形となります。
そのことで相手が思わぬ行動に出てしまい、以降の養育費請求が難しくなる可能性もあるので注意が必要です。
できれば弁護士などに相談する
悪意のない状況で支払えない場合は、相手に寄り添うことで解決の道が見えてくるものです。しかし、独断で決めてしまうと後になってから「言った言わない」などのトラブルに発展しかねないため、できれば弁護士などに相談して進めるのが最適です。
弁護士も類似のケースを何度も扱っているでしょうから、最も適したアドバイスが貰えるはずです。養育費はその瞬間だけのことではなく、長い目で見ていく必要があるものです。当初の金額の支払いが再開することを願って、急がば回れの精神で対応しましょう。