既婚男性との肉体関係は「不倫」と言われていますよね。相手には妻子がいるのはわかっていても、男性の「もうすぐ離婚するから」という言葉を信じて待っている女性もいるのではないでしょうか。
そんなとき、既婚男性の子供を授かったことがわかったら、相手である既婚男性に子供の養育費を請求することは出来るのでしょうか? 養育費を請求するためのポイントについてご紹介します。
まずは認知をしてもらう
既婚男性との間に子供が出来たことがわかったら、出産するかどうか悩む女性も多いのではないでしょうか。相手の家族を壊したくないけど、この人の子供は自分が生んで育てたい……でも自分には経済力がない、という場合、既婚男性に認知を求めることが出来ます。
認知とは「入籍していない男女間に生まれた子供について、その子供が自分の子供だと父が認める」ということです。これがなければ、まず養育費は請求できません。何故なら、養育費は親子関係にある状態で、親は子供が成人するまでの扶養義務があり、その子供を養い育てていくためのお金です。
認知がされなければ「父子関係」が発生しないので、既婚男性には養育費を払う義務がありません。ただし、既婚男性を相手に認知請求を行えば、DNA鑑定などで裁判所が強制的に認知を認めることが出来ます(強制認知)。養育費を請求するなら、認知をしてもらうことが大前提です。
認知されたら養育費が請求できる
認知するということは、既婚男性が「自分の子供だ」と認めたことになります。生まれてきた子供との間に「父子関係」が発生するため、既婚男性には養育費を払う義務があります。たとえ既婚男性の経済状況が苦しい場合でも、養育費を請求することが出来ます。
養育費とはある意味では「債権」です。生活が苦しいからと言って、自分の子供を育てるために必要なお金を支払わない、というのは認められません。請求しても払われない場合は、給与差し押さえなどの強制執行によって養育費を支払ってもらうことも出来ます。
ちなみに給与差し押さえでは、通常は手取りの1/4までですが、養育費の場合は1/2を差し押さえることが出来て、既婚男性が抱えている他の債権(家のローンなど)より優遇されます。養育費は子供の命や生活を維持するための大事な費用なので、法律でも優遇されているのです。
既婚男性の妻から慰謝料を請求される場合も
養育費が無事払われることになったとしても、忘れてはいけないのが既婚男性の妻から「慰謝料」を請求される可能性が高いことです。相手が既婚男性とわかっていながら肉体関係を持ち、また既婚男性は妻子がありながら未婚の女性と肉体関係を持ったということは、妻の立場からしてみれば屈辱以外の何物でもありません。
自分のパートナーである夫が、未婚の女性との間に子供が出来て、更に認知して養育費まで払うとなると、妻が受けた精神的苦痛は想像を絶するものです。夫と離婚して夫から慰謝料をもらう妻もいるでしょうが、ほとんどの場合は「家庭を壊したくない」と考えます。そうなると、既婚男性が養育費を払う代わりに、既婚男性の妻が慰謝料を請求するのは妻としての当然の権利です。
子供が出来て、出産するか中絶するかは子供を身ごもっている女性の自由です。出産するとなったら養育費をもらえる可能性も高くなりますが、慰謝料を払う可能性も高くなります。既婚男性と肉体関係を持つことは、これほどのリスクをはらんでいるのです。
養育費をもらうことだけではなく、慰謝料を払う可能性も頭に入れて、よくよく考える必要があります。