夫婦が離婚し、片方に子供が居る場合、もう片方の親は、元夫、妻関係無く養育費は支払わなくてはなりません。
従って“養育費が貰えないケース”ということは、考えられない事です。
「慰謝料」であれば片方の精神的苦痛に対して支払われるものなので、支払いの義務が生じない事もあります。 気持ち的な問題で、双方の合意のもとの離婚であれば、支払う必要はありません。
しかし、養育費に関しては全く別で、これは子供の権利でもあります。
元配偶者に対して謝罪の意を込めて支払うというものではありません。
近年、養育費を支払わないケースが後を絶たない
義務である養育費の支払いにも関わらず、近年は養育費を支払わない人も増え、2011年の調査では離婚した夫婦全体の2割ほどしか養育費を貰っていないという事が明らかになっています。
現在の母子家庭の数は120万世帯を超えている中で、そのうちの半分以上の家庭が、家庭におけるやりくりに困っているとの回答が出ており弁護士にも多くの相談が寄せられているそうです。
原因としては、父親が行方不明になってしまったことや、音信不通になってしまうというケースが挙げられます。
家庭裁判所に『履行勧告』を依頼することも出来る
養育費が未払いの場合はまず離婚調停の際の書類を確認したうえで、離婚の際にどのような取り決めがあったかを確認しましょう。
その中に養育費支払いに関しての合意がなされているのであれば、家庭裁判所から『履行勧告』として、養育費の支払いを命じることが出来ます。
尚、強制執行する場合であれば、相手の給与から取り決めた分の養育費を天引きする事も可能ですし、支払い義務にある者に対しての財産差し押さえも可能とされます。
ただ、相手の住所が不明である場合は強制執行が出来なくなってしまいますので、弁護士に依頼し、住所を調べて貰う必要があります。
このように、現状で8割以上の子供の養育費が支払われて居ないケースは問題視され、その取り決め方を見直す事が大切なのではないかといった声も上がっているようです。