夫婦で話し合う協議離婚もダメ。
それなら調停離婚だと家庭裁判所で調停を行ったけれど、こちらも不成立。
それでも、どうしても離婚したいという場合の、最終手段が裁判離婚です。協議離婚が離婚全体の90%以上を占める中、裁判まで離婚を争うというケースは、そう多くはありません。
協議離婚も調停離婚も基本は、「離婚したい。」という夫婦の意思です。
もしどちらかが離婚して欲しい旨を伝えたとしても、離婚に応じる意思がないのであれば、離婚届けに署名・捺印しないかと思います。離婚の調停で、調停委員に離婚を勧められても、納得できなければ拒否するという選択があります。
しかし裁判離婚は強制力があるため、『原告と被告は離婚する。』このような判決が確定すると、たとえ片方に離婚する意思がなくても、強制的に離婚することができるのです。
裁判離婚を行うために必要なものは?
それでは裁判離婚を選択するに辺り、必要なものについて簡単にご説明します。
(1)法定の離婚原因について
裁判離婚は、法律で定められた以下の5つの離婚原因が存在しなければ裁判は起こせません。
- 不貞行為(肉体関係を伴う浮気。)
- 悪意の遺棄(勝手に家を出てしまったり、必要な生活費を渡さないような場合。)
- 3年以上の生死不明(大規模な災害などで行方不明になって3年以上経過した場合。)
- 強度の精神病(回復の見込みのない精神疾患を患い、日常生活に支障をきたす場合。)
- その他婚姻を継続しがたい重大な事由(価値観や考え方の違い、性格の不一致など。)
(2)弁護士について
裁判離婚となると、訴状・陳述書・答弁書・反論書など、さまざまな書類の作成を行うことになり、専門的な法律の知識が必要となります。素人がこういったことを行うのはとても難しく大変なことなので、離婚問題に詳しい弁護士に依頼する方が安心です。ただし、弁護士費用は安くはありません。着手金や報酬などで100万円程はかかると考えておくべきでしょう。
また、裁判離婚は判決が出るまでに1年から2年近くかかるケースも多く、長期戦も覚悟しなければなりません。
<裁判離婚後の手続きは?>
裁判離婚で判決を勝ち取っても、それだけで離婚は成立したことになりません。
協議離婚や調停離婚と同様に、離婚届けの提出が必要になります。
離婚届けには、自分の名前を記入し押印するだけでよく、相手配偶者の氏名や押印は必要ありません。普通なら証人が2名いるのですが、裁判離婚では不要です。
また裁判離婚の場合は、判決書の謄本と判決確定証明書も一緒に提出します。これらの手続きは判決が確定してから10日以内に行わなくてはなりません。