養育費未払いの多さには、調べれば調べるほど驚かされることでしょう。そこで、相手側の合意が得られれば、養育費を一括で受け取ることが可能です。
しかし、何事にもメリット・デメリットはつきものです。きちんと把握することで、より良い選択に役立てて下さい。
双方の合意の上、養育費の一括払いは可能
養育費相談支援センターの調べによると、養育費を取り決め通り払っている人は全体の3割にも満たないそうです。
公正証書や調停調書などの公的な書類が残っていたとしても、強制執行で財産を差し押さえることは事実上難しく、養育費未払いに対しての罰則がないに等しいのが現実です。
離婚を考えた時に、調べれば調べるほど、養育費の未払いの多さに愕然とすることでしょう。そして頭に浮かぶのが、養育費を一括でもらえないか?ということではないでしょうか。
しかし、原則、養育費は毎月支払われるものとされています。なぜなら、養育費は子どもに必要な生活のためのお金であり、その都度発生する費用と考えられているからです。親の失業や子どもの死亡など、様々な予期せぬ事情が生じる可能性もあり、一括払いにふさわしくないとされています。
どうしても一括でもらいたい場合は、相手側の合意が必要です。双方の合意が得られれば、養育費を一括で受け取ることが可能です。
一括でもらうメリット、デメリット
養育費を一括でもらう場合、未払いの不安からは解消されることになります。それは大きなメリットと言えるでしょう。
しかし、デメリットもあります。一度に多額のお金が入ることにより、贈与税が課税される場合があるのです。また、月払いよりは、もらえる金額が少なくなるかもしれません。
しかし、離婚原因がDVやモラハラなど、今後相手との関係を持ちたくない場合には一括でもらった方が良いこともあるでしょう。未払いが起こると想定される場合も検討の余地があるかもしれません。
子どもにとってより良い方法を
以上のように、養育費を一括でもらうことにはメリット・デメリットがありますので、よく検討することが大切です。
DVやモラハラに悩んでいる場合には、贈与税のことなど気にせず一括でもらう方が身の安全を守ることに繋がるでしょう。
しかしそうでない場合、子どもからすれば、一括払いは親との繋がりの断絶となる可能性があります。毎月自分のために送金される事実やたまの面会が、子どもにとって良い効果を生む場合もあるかもしれません。
どちらが良いのか、難しい問題ですね。
一括で払う方からしても、色々な不安があることでしょう。子どもともう会えなくなるのではないか?本当に子どものために使ってくれるのか? 等の不安には、それを取り除くことで、円満な解決に近付くかもしれません。
離婚の原因も併せて総合的に考え、子どもにとってより良い方法を選んであげて下さい。